2021年6月28日月曜日

TL125のご依頼

 TL125買ったら類は友を呼び、以前から入庫していたTY250に加え、TL125の電装系修理とギヤ比変更、鍵の無いヘルメットホルダー交換のご依頼。


電装はヘッドライトが直ぐ飛んでしまうとのお話。最近入手したばかりとの事ですが、レギュレーターを12Vに交換してあり詳細は前オーナーがやったので不明。まずはレギュレーターの配線を疑って色々チェックします・・・問題なさそうですねぇ・・・
お話伺った中で、電球の両端電圧がやたらと高かかったので抵抗を入れてあると。ライトケースあけて電球抽出。あれれ、12V25/25Wの球が入っています。エンジン掛けて電圧を見るとACで出力。そう、灯火器系はレギュレーター通さずノーマルのAC6Vの配線だったのです。そこでノーマル指定の6V25/25Wの球に変えて抵抗削除したら解決。

6V25Wの電球は抵抗値は1.44Ω。一方12V25Wの抵抗値は5.76Ω・・・・抵抗が大きくてなって電圧が上がり、それに伴い電流が増えて切れてたのですかね。

という訳で色々調べてみます。発電機は負荷に大電流が流れるとそのコイルに流れる電流で回転子に励磁と反対の磁力を発生させて(電機子反作用)減磁します。


(b)の分巻発電機(自分の発電した電流で励磁)の特性と同様に(a)の他励発電機(バイクの永久磁石励磁もこれに含まれる)のグラフでは下側か記載されていませんが、負荷を大きくして電流が増えると電気子反作用で同じような特性に成るのではないでしょうか。
この限界点下側からは負荷が小さく成って発電機端子電圧が上がっても電流があまり変わらない・・・・・なのではないかと思われます。どなたかご存じの方にご教授いただきたいです。学生時代は電気工学科でしたが、電動機の授業を受けてなかった(聞いてなかった)からなぁ・・・・

さて、次は新品のヘルメットホルダーも入したので、キャリア、リヤフェンダー外してヘルメットホルダーの裏に到達・・・・・ガーン!!


ネジに全く凹みの無い特殊ネジです。錆で詰まってるのかと思って突きましたがやはり凹み有りません。左側はポンチで回せないか試してみましたが・・・・回りません。
自分のTLはどうなの・・・・と見てみると、フレームの取り付け部分から切ってありましたわ。参考に成りません。
回すために頭に何か棒でも溶接しようかとも考えましたが、スパッターで樹脂部品が傷むのでヘルメットホルダーを壊すのが楽だと判断。金鋸と鏨でフレームに傷つかないよう粉砕!!

幸いネジがさび付いていなかったので取り外しできました。付いてた凹み無し皿ネジは取り付け時に一定トルクで切れちゃう仕様だったのですかね・・・・

新品取り付け。ネジはネジロック塗布した六角穴付き皿ネジで。このネジにアプローチするためにはシート外してリアフェンダー外す必要が有るのでセキュリティー的には大丈夫でしょう。

残るはギア比変更。現状だとギア比が低いので10%ほどハイギヤードに出来れば・・・とのご依頼。現状は16T-60Tの3.75。ちなみにノーマルは15T-58Tの3.87。すでに3%だけハイギアードに成っていました。
そこで目標3.4に成るよう入手できるスプロケットの組み合わせで検討した結果、15T-50Tの3.33で12.5%ハイギアードで部品を手配します。できれば51T入手して3.4ピッタリにしたかったんですけどね・・・・


走ってみるとトップが離れててちょっとたるいですが、長距離移動にはいいかもしれません。


2021年6月17日木曜日

CR80/MB50

 昨年パルフレイと交代で、急がないのでゆっくりで良いよと預かったCR/MBはエンジンの調子が悪いとの事。合間で作業開始。

インシュレーターにパーツクリーナーを吹くと止まるので、二次空気を疑ってインシュレーター、リードバルブ一式ばらしてみます。すると案の定リードバルブのパッキン(7番)が入ってませんでした。


はい、部品を発注しますが欠品です。CR80の空冷エンジンは'82年迄なのですね・・・・部品も無いはずだわ。
7番、8番をパッキン紙切り出して作ります。


取り付けると、とりあえず走るようになりました。次にノーマルエアクリーナーを接続しようと思いましたが、MBのエアクリーナーとキャブの位置がこんなにずれています。いろいろアダプターを作ろうと画策しましたがうまくいかず・・・・


オーナーに話すとK&Nエアフィルター持ってきてくれたので、これに交換することにします。はずはノーマルエアクリーナーボックスを取り外そうとしますが、知恵の輪で外れるものかとガタガタ探ぐってもエンジンに干渉。エンジンを降ろさないと外れないと判断。めんどくさいですが、決行。チャンバーとチェン外して、CRエンジン用サブフレーム外して・・・摘出!


エンジンを再度搭載し、チャンバーを取り付けますが、パーツリストの12番エキゾーストパッキンも当然欠品。たまたま在庫のあったCB350用エキゾーストパッキンをちょっと潰して押し込み、実装。


持ってきたくれたK&Nエアクリーナーはストレートにまっすぐ後ろに伸びるもので、このままつけるとフレームに干渉して付きません。
そこで、クリーナのゴムジョイントにざっくり切れ目を入れて角度を付けることに。あっ、切る前の写真忘れました。ワイヤロック用のステンレスワイヤで縫います。


そして仮実装・・・・いい感じですね。


ゴムの接合部にはロックタイトのDBR-100を使います。この接着剤に耐ガソリンとは書いてありませんが、材料のクロロプレンゴムは耐ガソリンで〇になってますね。



さて、キャブもやらねば。エンジンが前掲して搭載してあるためキャブも前掲していて、へたったフロートパッキンからガソリンが漏れてきます。新品パッキン・・・メーカー在庫有りません。キャブ自体はPEの刻印があって構造もPEキャブですがジェット類はPCキャブと同じ様です。(後にPCとも違うことが発覚!!)


フロートパッキンもPCと同じような形状だったのでPC20用を発注してみました。


残念ながら一回り小さく細いため使えませんでした・・・・・

付いているパッキンは以前シリコン塗布して補修してある跡があります。パッキンの隙間にカッターの刃を入れて剥がして取り出そうと思いましたが、ぽきっと破断・・・・
これを教訓でゴム復活の実験したのがこれですわ。
結局外周の大きさがほぼ同じのPEキャブ用パッキンの輪っか部分を切って加工することに。


輪っか部分を切って、四隅と曲率の違うところに耐油接着剤G103を溝に塗布して・・・




いい感じに成りました。フロートパッキン問題は解決?

エンジンが掛かったときに試走したところ・・・さすがレーサー、低速トルクがスカスカだと思いましたが、よく考えると減速比が合っていないんじゃないかと。
調べてみるとCRはリアタイヤ4.10S14で外径は約564mm、一次減速:4.118,1速:2.50,二次減速:3.357。一方MBはリアタイヤ2.50-18で外径は約584mm。一次減速:4.117,1速:3.082,二次減速:3.307。計算すると約1.26倍減速比が違います。
そこでスプロケットを交換します。ドライブスプロケットを13T→11T、ドリブンスプロケットは・・・42Tが標準ですが、41Tが付いてました。ますますハイギアードだったのですね。これからオーナーが持っていたカブ用43Tへ交換します。ちなみにセンター穴径φ70,PCD90で三つ穴の物が使えます。これでCRと比較して1.04ハイギアードまで収まりました。


と、この状態でオーナーさんに試乗してもらいます。なんかCRエンジンに乗せ換える前のMB80エンジンの方が速かった・・・・と。まあ、エンジンクランクベアリングらしき異音も出てるので、エンジン開けて交換かなと相談していたら。MB80の新品ピストン入手したとの事で持参されました。この車体を持ち込む際にばらばらになったMB80のエンジンも持ってきていて、MB80のエンジンを組んで乗せたいということに成りました。
MB80/MB50に続く

2021年6月14日月曜日

HM1バモス メンテナンス

 うちで一番走ってるHM1バモスのメンテナンスの忘備録

19,3352Kmでブレーキパッド、シュー交換。オイルも交換。






2021年6月13日日曜日

体幹鍛えねば

今朝はTLで猿ヶ島デビュー。だれも居なかったので一人で行ったり来たりして遊ぶことしばし。


水分持ってきてなかったので、熱中症や脳血栓が出来る前に退散。ははは。すでに最近使ってなかった筋肉が痛いです・・・
その後、中津川の土手散歩。ここは先日廃橋を見に行った場所の近所です。

そして宮ケ瀬。元気よく駆け上がったら調子が悪くなってきました。電気かもと思っていたら、駐車場でしばらく休んでいると復活。この時キャブレター触ると人肌以上の温度ですね。排気量も大きく、エキパイとキャブが近いのでパーコレーション起こしているのではとの推測。

帰ってきて着いたころにはまた調子が悪く・・・・直ぐに放射温度計でキャブ温度測るとほぼ50℃・・・これですかねぇ


真夏に向けてなんか対策考えねば。

体の方も最近サボっていたプランクで体幹鍛えるかなぁ・・・・

2021年6月11日金曜日

キックが下りないTY250(エンジン編)

 3年乗ってなかったというTY250がその間にオイル漏れとキック下りないとの事でお預かりしました。


しっかしガレージの中は70年代臭がきついです。

写真撮影時でちょっと調べると・・・・
お預かりW1SA:1971
お預かりTY250:1977
Z360(N360):1970
Z360(SA):1974
CB250:1971
RS100D(XE50):1976
お預かりCR/MB(MB-5):1979
CB/MB(MB-8):1980
SL350K2:1972
CBX125 cafe:1987
ジャイロX(TD01):1982
Vocal(AF04):1983
ローラースルーGOGO7:1975
ローラースルーGOGO:1975

平均:1976.5・・・くふぁー!!
ま、ほとんど僕のおもちゃですけどね。

気を取り直してエンジンチェック。まずプラグ。


げっ、錆びてます。やな予感ですねぇ。
ヘッドを開けてみます。


錆びてますねぇ。こりゃ大変だ!!黒いのがピストンで、吸排気ポートが開くところまでは下がっていません。
さて、この状態で油を注して放置後もキックは下りません。ピストン上から木材を当ててハンマーで叩くことしばし・・・・少しづつ動いています。下死点に下がる前にシリンダーをクランクケースから外して、ケースとシリンダーの間に木材を挟んでさらにピストンを叩くと・・・・・外れました!!!



焼き付いたわけでは無いのでピストンはやたらと綺麗。しかしシリンダーは・・・・


さて、シリンダーはボーリングしないと使えませんね。ということはオーバーサイズピストンが必要です。ヤマハの純正部品で探すと欠品・・・・・いろいろ探すとebayのドイツ出品で純正0.25オーバーサイズピストン発見。リングはアメリカで発見。

さて、この状態だとクランクも怪しいですね。回すとゴロゴロします。クランクケース割るのが決定です。
エンジン降ろすためにオイルポンプのカバーを外すと水が出てきました・・・・先が思いやられます。エンジン降ろしてひっくり返すと・・・・・クランクケースからも水が出てきます。
オイルポンプカバーが右側なので、サイドスタンド掛けた状態でカバーのオイル出入口のブッシュから水が入って溜まり、クランクサイドのオイルシールから水が浸入したと推測されます。


摘出したクランク。外周は若干錆も有りますが、幸いにも大端部までは傷んでませんので、クランク分解は避けられました。


しかしクランクベアリング左右はゴロゴロするので交換ですね・・・錆も有るし・・・



ボーリング屋からは、もしかしたら0.25ボアアップじゃ錆が取れないかもと言われたシリンダーでしたがかろうじて錆が取れた様です。ボーリング屋から引き揚げてきました。


シリンダーが出来てきたので、クランクベアリングと各種オイルシール交換、腰下組み立て。



ボーリングしたシリンダーと新品ピストン組み込み。



そしてエンジン搭載


オイル漏れの原因はオイルシール類の劣化によるものかと思っていましたが、交換のため外した物はあまり傷んでいませんでした。しかし、組み立て時にシフトフォークガイドのクランクケース蓋(19番 90338-10063-00)が付いて無いことが分かりました。


所がヤマハ純正部品は欠品・・・・ううむ。
色々探して汎用の武蔵オイルシール製シールキャップが合うことが分かったので取り寄せて取り付け。



ミッションオイル入れてオイル漏れチェック。

さあて、エンジンは完成しましたが、キャブと固着したアクセルワイヤーもやらねば。
続く・・・・・