2022年7月6日水曜日

XR100Rポリタンク修理

 以前フレーム交換したXR100Rのオーナーが予備のタンクを入手したけど、タンクからガソリン漏れる。コック交換しようと思ったらナットが空回りして緩まない‥‥とお持ち込み。

コックの位置にかかわらずガソリンが漏れるとの事でしたので、#2のOリングが怪しいですね。


コック外すために#17のネジを外そうとしますが、タンクに射込まれているナットが空回りして外れません。仕方がないのでサンダーでボルトの頭を切り飛ばします。


この後切ったナットはすんなり外れたので、代わりのナットを入れて回すと・・・・やはり空回り。


タンク内部の角ナットが射込んである場所を確認しようとキャップ側から覗き込むと・・・・あらら・・・これの縦線はクラック??


射込んである角ナットに刺したボルトを温めて角ナットを外すと、奥にクラックが有るのが明らかです。ガソリン漏れはOリングでなく、射込んである角ナット裏のクラックから漏れてた様です。


タンクの材質確認。PE-MKと有ります。ポリエチレンですね。


充填材料を入手しなければ。赤のポリエチレンといえば灯油ポリタンクやパイロンが有りますが、これらを潰すにはもったいない。こういう時は100円ショップで物色。
ほとんどがポリプロビレン製でポリエチレンは少なく、在っても白ばかりです。店をうろうろする事しばし。見つけました!!
コカ・コーラのロゴ使用の為か200円もしましたが・・・・



工具も用意せねば・・・・調べると「ポリエチレンは融点は125℃前後で、成形温度は、180~260℃程度」と有ります。
半田ゴテを新調してコテ先ももう一つ入手、先を丸めておきます。(上)


余熱を与えるためにヒートガンの先にノズルも用意。


尖ったこて先で開先し、そこに切った100円ショップ入手した樹脂を切って入れ・・・・


ヒートガンで予熱して丸めたコテ先で溶かして埋めした。水入れて漏れ確認。ピンホールが有ったので何度か追加工が必要でした。


ところが角ナット埋め込みには周辺の温度を上げなくてはならす、真ん中のガソリン穴が歪んでしまいました。ここはOリングでコックとシーリングしているのでこれではガソリンが漏りそうです。さて困った・・・・・


そこで温め再整形出来ないかと考え、アルミ治具を作ってもらいました。そしてM6ボルトに貫通穴開けた物を作って用意します。


そしてワイヤーを通してタンク内側にあてがいますが、タンク内部形状が合わず追加工。(ナットはワイヤ留めです)


タンクを温めて治具を穴裏側からセット。そして凸型治具を入れてナットを温めながら締め込みます。


成型後。Oリングの当たる部分は面が出た様です。



フューエルコックが入る様にセンター穴加工。


この後、水入れて漏れ試験したところ角ナット部分に再びピンホール発覚。今度は穴が歪まない様治具を取り付けて、角ナット部を再び取り出し。奥の部分をコテで均して再溶着。ついでにずれていた取り付け位置も修正。


ノーマル状態よりOリング当たり面が凹んでるので、Oリング二個付けでコック取り付けます。これで漏れは解消♪ 更にエアで加圧試験しても漏れは有りませんでした。


次にコックのパッキン交換。部品取りに成ってしまったコック。コックパッキンが入手出来ればこれを直して装着します。ヤマハ用を小加工すれば使えることが判明し、カシメ跡をもんだ後にM3タップ切って組み立て。


剥がれかけたタンクのデカールも全部剥がしてとのご要望も有ったので、アセトンでふやかし削除。


完成です。

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