TY250を前回修理して納車した時にこれも直してほしいとお代わりのTY250を持ってこられました。1974年式の初期型でクランクケースカバーがマグネシウムに成る前のモデルですね。たまにエンジンが止まるとの事で、電気かもと新品ハーネスもお持ち込みです。
急いでないとの事で着手が遅れましたが作業開始。持ってこられて直ぐに気が付いたのですが、スロットルが回りません。キャブの固着ですね。先ずはキャブのオーバーホールからです。いつものようにキャブを煮て、パッキンなど交換。前に修理した1977年式TYとキャブも違うんですね。フロートパッキンは出ましたが、出ないOリング(3番)が有ります。
色々探してホンダのキャブで使っているのが使えました。これでキャブは完了。車に取り付け始動を試みます。
そういやキックががやたら重たく、ケッチンを食らいそうです。もしかしたらクランクケース内がオイルがたっぷり入って一次圧縮が高いのかも・・・・とリードバルブを外してクランクケース下までホースを入れ、注射器で吸ってみると・・・・沢山オイルが出てきます。
ホースが底まで到達していないと思われる状況で注射器3本分(25cc×3)75cc採血できました!!
オイルポンプ排出量の設定が大きいのなとチェックしようとカバーを外すと・・・・・・
見慣れぬオイルポンプが付いていて、アクセルワイヤーとは繋がっていません・・・・・・
色々調べたところ、1984年製TY250Sのオイルポンプらしき物を加工して付けているようです。付ける向きも下の図から180度傾いでますね。
さてこのオイルポンプ、どうやらアクセル開度に連動して排出量を調整していないようです。
ポンプは入手できないので、背に腹は代えられず・・・・ケースからオイル抜いた状態で再始動を試みます。
見事始動・・・・まだケース内にオイルが残ってたんですね。アイドリングで煙幕状態!!
オーナーさんにこのオイルポンプだとオイル排出量が多すぎる様なのでどうしましょうかとお聞きしたところ、ドナーが有るので持ってゆきます・・・・と。また、止まっちゃうときはいつもプラグがオイルだらけでしたとのお話を聞いて、この原因は電気じゃなくてこのオイル過多のためですね。
到着しました。初期型1974年式TY250が二台に・・・・ドナーはタンクなど色々部品が置き換わってますね。
到着しました。初期型1974年式TY250が二台に・・・・ドナーはタンクなど色々部品が置き換わってますね。
そしてドナーからポンプ摘出して・・・・
前にやった1977年式TY250は右カバーを開けて、アイドルギアのEクリップを外さないと取り外せませんでしたが、この年式はアイドルギアが無いので取り付けネジを外せば取れるんですね。
1974年式
1977年式
1984年製TY250Sのオイルポンプはシャフトが合わないのでアダプタも作ってありましたので取り付けには苦労したんでしょうね。
ドナーからオイルポンプ移植してエア抜きして完了。
ドナーからオイルポンプ移植してエア抜きして完了。
この個体も前の1977年式と同様にクラッチレリーズレバー付け根からオイル漏れしています。これも交換。更にお客さんからチャンバーのオイル漏れが酷いのでこれも対策してほしいと言われてます。
チャンバー外すと・・・・・・
サイレンサーもオイルがたっぷり出てきます。まあ、クランクケースがオイルだらけでしたからね。
アルカリ溶剤で中を洗浄してエキゾーストガスケットとサイレンサー付け根のオイルリング交換して完成。
アルカリ溶剤で中を洗浄してエキゾーストガスケットとサイレンサー付け根のオイルリング交換して完成。
0 件のコメント:
コメントを投稿