2024年11月17日日曜日

Z750T整備

 Z750T入庫。依頼事項はこれら
・エンジンオイル漏れ修理(シリンダーヘッド?、タコメーターケーブル付け根、スプロケットカバー周辺)
・セルワンウエイクラッチ、ブラシ交換
・エアフィルタ交換
・キャブ同調
・ニュートラルランプ不具合
・メーター球切れ
・ブレーキレバー交換

先ずオイル漏れ箇所を確認。エンジン外側を脱脂してからエンジン始動して走ってみます。ヘッド前側にオイルが付くので、ヘッドガスケットではなくその上ですね。しかしカムカバーの外周はオイル漏れの形跡なし。何処から漏るのか探索すると、ヘッド前からの写真でエンジン左側のスタッドボルトを留めているナット付近から出ているようです。


このスタッドボルトを留めてるナットにはパーツリストを見てもアルミワッシャ等無いので、スタットボルトにはオイルラインは通って無いと思われます。ですので、このナットからのオイル漏れでは無さそうです。ヘッドにはこのナットを上から締めるための穴が開いているのではとヘッドカバーガスケットを見てもそこに穴が有りません。どういう事?そこで借りていたサービスマニュアルを見ると、なんとヘッドにはここのナットにアプローチするためのプラグが有るのでした。このプラグにはOリングが付いているのでおそらくそこから漏れていると推測。


作業にはエンジン降ろさなきゃダメだろうなと思ってましたが、サービスマニュアルを見るとタンク外してヘッドのマウント外して作業していますね。良かったぁ。腰に優しい♪

ヘッドカバーを開けて例のプラグにM6のナットを捻じ込んで外すと・・・何の抵抗も無く取れました。Oリングがヘタってるんですね。
このプラグの所にヘッドナット付ければ良いのに・・・・あ、それじゃ車載でヘッド降りなくなりますね。考えてあるんだわー。


ここのOリングはカチカチで外す時に全て割れました。これじゃシールしないよね・・・・Oリングは国内カワサキに在庫無し、海外調達です。


NOS品海外から到着し実装。ヘッドカバーも取り付け。


タコメーター取り出し部のオイルシール交換。これは国内で調達できました。


スプロケットカバー開けてドライブシャフト、チェンジロッド、クラッチプッシュロッドのオイルシール、ニュートラルスイッチ交換。カバーが外れるので全部交換するのでここを外した方が楽です。

セルとワンウエイクラッチが有る左カバー側ばらします。このエンジン普通と異なり左から見て時計回りに回るエンジンなのでローターのセンターナットはやはり逆ネジですね。


プーラーは汎用、回り止めは車高調用で買ったフックレンチが使えて無事ローターが外れました。


セルモーターを取り出して分解します。ブラシのカスが結構溜まってるし、遊星ギアのグリスもバサバサなので洗浄グリスアップし整流子も磨いて、ブラシ交換します。




ワンウエイクラッチの方はスプリングがこんなに(右側)縮んでました。
スプリングとローラー交換。


エンジン周りすべて完了し、オイル入れてエンジン始動を試みますが、キックでは掛かりますがセルでは始動できません。セルは回ってるようですがクランクが回って無いようです。あら、ワンウエイクラッチがこれだけじゃダメなのかしら・・・・他の部品も交換が必要か??
とりあえずジェネレーター側のカバー開けてセル始動の様子を見てみます。


音を聞いてるとモーターは回ってるが、セルモーターのスプロケットが回ってない様に聞こえます。ワンウエイでなくセル本体かもしれませんので取り外してまた分解してみます。
セルには遊星ギアが付いており、モーターが回ってスプロケットが回らないのはそこが怪しいです。スプロケットを回してみると・・・・ちゃんと機能しているように見えますが・・・・しかしこの不具合は負荷が掛った時にセルは回るが、遊星ギアが上手く回らないなのだと思われます。


ちょうどヤフオクで中古のセルが出ています。動画の始動時もスムーズにかかってるのでこれを購入してセルのニコイチ作戦に変更。遊星ギア一式をドナーから移植して無事セルでクランク回る様に成りました。


メーター球、ブレーキレバー交換。キャブの同調。付近を一回りしてオイル漏れ解消を確認して終了。

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