2021年7月6日火曜日

キックが下りないTY250(キャブ、ワイヤー等々編)

 エンジンが完成したので周辺をやっつけます。

アクセルワイヤーはインナーとアウターがさび付いて動きません。ワイヤー切ってキャブと分離します。

キャブはいつものように煮て洗浄します。パッキン、Oリングなどはほとんど出ました。黒塗りだったキャブの塗装が半分以上剥げ落ちてしまいましたわ。このままじゃ汚らしいのでもう一回煮て、残りはコリコリこじって全部剥がすのでした・・・・



このキャブ面白い構造です。メインジェットはドレインと思われたナットの後ろに有りまず。フロートチャンバーの通路を通り、このジェット経由で通常メインジェットが入っているエマルションチューブからベンチュリーに通じています。
メインジェットをフロート外さずに横から交換できるようにしたのですね。


固着していたアクセルワイヤーですが、新品部品出ません。オイルポンプワイヤーとの分岐部分でばらして終端部分だけ作り直します。


分岐部分の中子とワイヤーははんだ付けなのでバーナーで炙って分離・・・・


と、ここまでやって、分岐前のスロットル側のワイヤーも動きが怪しいことが発覚。作戦変更してヤマハ2st250クラストレールの最終・・・・DT230 Lanza のスロットルワイヤーを入手。
端部を比較すると・・・・スロットル側。タイコの幅がDT230 Lanzaの方が広いですがスロットル側には入りそうです。


キャブ側。M10P1.0のオスネジでしたが、径ピッチ同じのメスネジです。


オイルポンプ側。M6P0.75のネジが有りましたが、Lanzaは嵌める様に成っています。


キャブ側はノーマルのワイヤー端部に付いていた貫通ネジを切ってキャブと結合できそうです。オイルポンプ側はネジを切る必要が有りますね。細目のダイスが必要ですわ。

さて、作業開始。先ずはキャブ側。ノーマルワイヤに付いていたM6P0.75のネジ部分だけ切り取ります。


そしてネジロック塗布してDT230 Lanzaワイヤ端部にねじ込みます。


アクセルワイヤーのインナーが長すぎるので寸法測って切断。自転車ワイヤーのほつれ止めを短く切って圧着工具でカシメ。これはCB350にPE31キャブ用ワイヤ作成で実績が有ります。



長さも丁度よくなりました。キャブトップの調整代が少ないですけど他で調整すれば大丈夫でしょう。


オイルポンプ側はダイスでM8P1.0のネジを切ります。


さて仮止めして確認しようとしたところ・・・・・ガーン!!金具がクランクケースに干渉して回りません。


当然、ノーマルはギリギリですが回ります・・・・


と、金具を交換しようと思ったら、このままじゃインナーも短いことが発覚。アウターを切ることに。さらにキャブ側で長さを調整したワイヤーも、キャブをエンジンに実装すると短くて引き回しできません。アウターから作りなおさないといけませんわ。そういや端部の所を気にしていて、長さの比較をし忘れてました。

キャブ側は自転車ブレーキワイヤーで作り直し。オイルポンプ側もアウターを切り詰めTY金具を取り付け、インナーも切らざるを得なかった為、駒は横に穴を開けた3φ3の銅パイプにワイヤーを入れてはんだ付け。


ここまでやったので、分岐前のスロットル側も若干長かったので切り詰め。DT230 Lanzaワイヤーは素材にしかなりませんでしたね。


これでやっとアクセルワイヤー完成です。最後に全閉/全開確認!!




他に固着していたフロントブレーキワイヤーはかろうじて新品が出て交換、クラッチワイヤーは動きが渋かったのですが、新品部品が出なかったのでオイルを十分しみこませて再利用です。

オイルの配管をして、オイルタンクにオイルを満たします。アクセルを全開にしてオイルポンプの下部ギアを回すことしばし・・・・キャブ側のホースからオイルが滴ってオイルポンプのエア抜き完了。
キャブに直接ガソリン入れてキックキックキック!!無事エンジン掛りました♪

オイルポンプの動作を確認たのでカバーを取り付けます。ここはパッキンで唯一欠品だったので作ります。


ホースプラグは欠品だったので再利用。その代わりに周りにシリコンをたっぷり塗布。またここから雨水は入っちゃかないませんからね。


そしてこれも減速比変更。20%位ハイギアードにとのご依頼。合うスプロケットを探すのにフロント、リアともにロックプレートが70年代後半のDT125と共通であることが分かり、チェンも同じ428サイズでした。結局リアを53TからDT125用社外45Tへ。1.18ハイギアードに。


取り付けてから気が付いたのですが、ノーマルスプロケットは皿状に反っていて5㎜オフセットが付いているではないですか!!車を見入ると確かにチェーンライン狂ってますわ!!



カラーはやまが商店さんでサクッと作ってくれました。ハブとの取り付けは6か所ですが、スプロケットの穴に合わせて12か所開けてもらいます。


ハブのスプロケット内径が掛かるところがスペーサーの5㎜以下なので、事前に多く開けた穴を使ってスペーサーとスプロケットの内径を合せて両方をねじ止め。そしてハブに取り付けます。丁度ハブ側にも出っ張ったナットを逃げれる凹みが有って助かります。




さて、これでガソリン入れれば走れるぞっと、ガソリンスタンドまで押して行って給油。ところが給油中ガソリンがぽたぽた・・・・・ホース外したままかなと下からのぞき込むとタンク底にピンホール!!アルミタンクなんですがね・・・・


あわてて帰ってガソリン抜き、借用した内視鏡でタンク内確認。何所か腐食でしょうか、ぼそぼそに成っています。アルミタンクも腐食するんですね。(写真上が底です)


中を洗浄してタンクシーラー処理です。


長くかかってしまいましたが・・・・

ようやっと完成です。外装とフロントフォークはいずれ・・・・

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